英語の勉強にゴールなどありません。
存在しないものを追いかけるのはやめにして、今できることで英語を楽しんでみましょう。
英語で心を動かす経験が、英語を身近な「生きたことば」に変え、アレルギーを宇宙に吹っ飛ばします。

ゴールを下げ、心を動かす

さあ、もう英語の活字を見ただけで蕁麻疹(じんましん)が出ることもなくなりました(よね?)。さっそく「読み」に入りましょう。ただし、今までのように「勉強」を目的にしてはいけません。英語で「心を動かすこと」を目的とします。

英語の勉強にゴールなど、ない

ある言語の習得を「勉強」と捉えるなら、その勉強にゴールなんてありません。

言語は時代と共に変化し、nativeでさえその言語を「完全に」masterするなんてことは出来ないのです。

筆者は長いこと日本語を使っていますが、未だに「ちんぷんかんぷん」です。いい大人なのに、声に出して読まなきゃいけないテキストが切りなく湧いてきます。「あなたは日本語を完全にマスターしていますか?」と聞かれれば、きっぱり「いいえ」と答えます。

ですから「この苦行のような英語の勉強を続けていれば、いつか英語を完全にmasterし、そのときにはきっと英語で心を動かすことにもなろう」なんて考えは、すっかり間違えているのです。

そんなRomanticist(注:ロマンチストは和製英語)特有の「見果てぬ夢」は、場末のスナックでしか通用しません。悪酔いするので止めましょう。

英語は道具です。楽しめばいいんです。

さらにその上、タチの悪いことに「今を犠牲にすることで、後でparadiseが来る」とめでたくも、根拠なく思い込まされているので、永遠に「犠牲の今」を生きることになります。犠牲の今が永遠に続くことに気づいているから、ぼくらの心は「嫌だ!」と訴えているのです。

存在しないゴールなんて追いかけることはやめましょう。そして、今を犠牲にすることをやめましょう。

想定するゴールをぐっと下げ、今できる範囲で、英語を楽しんでみましょう。英語は勉強するためにあるのではありません。互いの心を伝え合うためにある、ただの道具です。楽しんでいれば、自然に出来るようになります。そしてそれこそ一番近い道です。

ニヤついてみよう

心を動かすと言っても、さまざまな形があります。ホロリとしたり、クスッとしたり、へえって思ったり。ここではもちろんクスッとしてみることになります。正確には、ニヤニヤするくらいかもしれません。

あくまでも「英語アレルギーの治療」を目的にします。英語の語順に慣れつつ、それなりに楽しんでもらうだけです。英文読解の勉強を期待している方には、きっと簡単すぎて手応えが足りないと思われるかも知れませんが、そもそも目的が違うのだとご了承ください。

「禁煙なんて簡単さ」(Mark Twainの言葉)

"Giving up smoking is the easiest thing in the world.
I know because I've done it thousands of times."

どうですか、ニヤッとできましたか? もしできたんなら、十分、大したものです(後はボキャブラリーを増やせばいいだけ)。

もしできなくても大丈夫。「英語みち」を読んで、ちょっと練習すれば、英語の感覚を掴めるようになります。ジョークが古くて笑えないという方は別ですが。

分からない単語はありませんね? 「Giving up」は「give up」の動名詞(意味が分かれば、細かいことは放っておきましょう)。「痛い、ギブアップ!」の「give up」。この場合「(習慣などを)やめる」という意味です。「smoking」は「No smoking」とかよく見ます。「たばこを吸うこと」です。「the easiest thing」は「最も簡単なこと」。「easiest」は「easy」の最上級。「thousand」は「千」です。「thousands of」で「何千もの」。「time」はこの場合「(頻度を表す)回」。だから「thousands of times」で「何千回も」。

音読はもちろんしましたね。「ちゃんと声に出して」って、さっき確認したばかりです。残念なことですが、この時点ですでにほとんどの方が声を出していないことでしょう。「練習をバカにするものは、練習に泣く」って誰か言ってた気がします(誰でしたっけ)。

「v」はちゃんと下唇を軽く噛む感じで、「up」は「ナップ」になります。「smoking」の「o」は二重母音です。「オウ」と発音してください。「the」が「(舌を軽く噛みそうにして)ジ」など、何しろ凝りに凝って、何度も読んでください。

何度も読みましたか? タンタタ、タンタタとある種のリズムが生まれてくると思います。この文章はきっかりにはいきませんけど、一拍目に強調が来るのは分かると思います(一拍目に強調が来るところに、英語nativeたちの生きっぷりが見えるような気がします)。「/」を間としますと、次のようになると思います。
Giving up smoking is // the easiest thing // in the world.
I know / because // I've done it // thousands of times.

この間の取り方が、そのまま英語の感覚となります。文節でone setなのです。文節one setで、頭にイメージを浮かべます。どんな長い文章も、文節one setのイメージの重なりです。
Giving up smoking is 喫煙を止めることは(~です)、と文節one setでイメージ。
the easiest thing もっとも簡単なこと
in the world 世界中で
I know 私は知っている
because なぜなら
I've done it 私はそれをやっている
thousands of times 何千回も

ところでMark Twainが誰だか分からないってことも、あり得なくもない、かも。日本ではトム・ソーヤの作者として有名ですね。でも代表作はハック(「The Adventures of Huckleberry Finn」)の方です。「ハック」ときて、次に「ホールデン」というのが、アメリカ文学の王道です(「ホールデン」とはJ.D.Salingerの「The catcher in the Rye」の主人公の名前)。

「地獄なんてところは..」(Jim Carryの言葉)

"Maybe there is no actual place called hell. Maybe hell is just having to listen to our grandparents breathe through their noses when they're eating sandwiches."

「actual」は「(形)現実の」。「hell」は「地獄」。「breathe」は「息をする」。鼻息が聞こえるようです。鼻息地獄です。

はい。音読、音読。「どうしてこんな文章を」と嫌がってはダメです。どうせやるなら、バカバカしい方がいいに決まっています。
Maybe // there is / no actual place // called hell.
Maybe // hell is / just having to / listen to / our grandparents (//) breathe /
through their noses // when / they're eating / sandwiches.

「our grandparents breathe」を一つの文節と考え、one setに発音しても、「our grandparents」と「breathe」の間に間(ま)を取ってもいいですね。間を取る場合の考え方は、「breathe」の前に関係代名詞「who」が省略されているとします。多分、間を取った方がjokeとしてのパンチが効くでしょう。

どうです? 何てことはないでしょう?

英語だからって、そんなに嫌がることもないことがお分かりになったと思います。このくらいのレベルのもので楽しんでいれば、自然に英語世界が出来てきそうだって、予感がしますよね? よかったら筆者のメルマガ『笑える英語~ジョークで笑って英語脳』をご購読ください。

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cover
The Adventures of Huckleberry Finn
「ハックルベリー・フィンの冒険(ペーパーバック版)」
Mark Twain 著

cover
The catcher in the Rye
「ライ麦畑でつかまえて」
J.D.Salinger 著
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