ぼくらが今まで習ってきたことは「よちよち歩きの強化策」ばかりです。よちよち歩きばかり頑張ってみても、羽ばたくことは出来ません。二つはまったく別個のものなのです。

自家製 英語の羽ばたき方

英語で「普通に」読めるようになるには、今までの勉強とはちょっと違う、一工夫が必要です。筆者長年の七転八倒から編み出された「僕なりのやり口」を公開します。

1.まずはザッと最後まで目を通す=眺める

英文テキストを前にしたら、まずは全体をザッと見ます。それは分厚いペーパーバックでも同じです。「インクの染みが不規則に並んだ、一枚の写真」を眺めるような感じで、ペラ、ペラ、ペラっとやっていきます。もう本当に「ざっ」と、ページに空気を入れる感じで。

意味は全く取りません。ただ単に「眺める」のです。「これからこれを読んじゃうぞ、楽しいことになりそうだ」とニヤニヤしながら。まったく文字/単語として拾っていないにもかかわらず、それでも何となく「面白そうだ」くらいは分かってくるのは不思議なところ。

変に「いくらかでも内容を拾ってやろう」とか「速読してやろう」とか欲を出してはいけません。心をカラにし、でもニヤニヤしつつ、ただ「眺める」こと。まるで禅のようですが、脳みそを使わず、ぽぉっと眺められたときの方が、後の結果は良いようです。

目的は、『脳みそに「?」というスイッチを与える』こと、別の言い方をすれば『中身の入っていない空の袋を用意する』ことです。まずは脳みそに空白地帯を作ることで、「そこを埋めたい!」という強い欲求を与えるのです。

この、数分もかからない些細な行為が、最後まで読み通す力をくれます。空白=「?」を埋めようとする脳みその本能が、引っ張ってくれるのです。全体を見たといっても、内容は把握していませんので、「どんなことが書いてあるんだろう?」というワクワク感は少しも失われることはありません。心配はご無用です。

2.単語を調べたら、テキストにアクセント記号だけつける

後で読んだときに正しく発音できる程度に、アクセント/発音記号をテキスト(の単語の上)に直接書き込みます。発音が分かっているものも「この単語は調べた」と分かるように、やはりアクセント記号を付けておきます。

意味などは書きません。それは頭の中に「構築する」ものです。意味を書いて しまっては、その日本語が邪魔してしまうのです。また書き込む時間ももったい ない。そう言う面倒くささが、最後まで読む気力を失わせます。

また2度目、3度目に読もうとするときにも、意味の書き込みは邪魔になります。アクセント/発音記号を付けただけなら、1)正しく音読できるし、2)以前に調べたことも分かります。

3.同じテキストを何度も(何度も何度も)読み返す

辞書を引き引き読みながら、しょっちゅう後ろに戻って読み直します。調べた単語の意味を忘れてしまわないうちに。

  1. 1文ごと
  2. 1パラグラフごと
  3. 1章ごと
  4. 全体ごと(最後まで読んだら、また最初から)

大体この4つの相がありますが、慣れてくれば数パラグラフごとに振り返れば、さっき調べた単語をまた調べなくちゃならないという悲劇は避けられるでしょう。「辞書に頼らず、英語を英語のままに読んだら、次」というリズムです。

そうやって、ちょこちょこ振り返りながら読み進め、ある固まり(章など)が終わったら、その固まりの初めから、また通して読み返します。

前に調べた単語をまた調べることになっても、気にしません。1度目の読みに比べて、数%でも減っていれば、もう大したものです。アクセント/発音記号の付いている単語のうちのいくつかでも、辞書なしで済ませられたら、それでいいのです(完璧主義は癇癪のもとなので、止めましょう)。

4.辞書なしで通し読みできるようになるまで

何度も読み返しながら、最後まで来ましたら、一度満足を味わいます。ペーパーバックを初めて読み終えたときなどは、うっとり鼻の穴が広がり、瞬きの回数も多くなりがちです。こういう瞬間は、人生で何度もあるものではありませんので、ゆっくり楽しんでください。缶ビールを一本空けましたら、さてもう一度、そのテキストを取り上げます。

また初めから読み始めるのです。うんざりするようですが、実はまったく逆、かなり楽しい読書となります。もちろん、同じ単語にまたまた辞書を引くことになるのですが、「さっきより分かる」という読み方は、かなりウキウキする体験です。

こうやって、何度も何度も同じテキストを読み返します。最終目的地は『辞書なしで通し読みできるまで』。これこそ、読みのゴールです。そうなりますと、テキストは壮大な一つの例文(辞書における)となりますので、単語量も「グン!」と増えてくれます。英文解釈が出来たくらいでゴールとしていた今までは、間違いだったのです。

テキストを一度しか読まないなんて、何も読んでいない状態に近い。それは非常にもったいないことです。繰り返し読むといっても、時間的にはそんなに変わるものではありません。2回読んだところで、時間は2倍もかかりません。1度目の読み時間を「1」とすれば、2度目の読み時間は「0.5」といった所でしょう。そしてその「0.5」は、他に新たにテキストに手を伸ばしたときの「1」よりも、ずっと内容の濃いものになるはずです(複数回触れたものの方に脳みそは強く反応するから)。

「勉強はほどほどに。楽しむんだ」という筆者のスタンスは、このあたりのことを中心に指しています。「勉強、勉強」でいくと、新しいテキストを辞書を引き引き、読み下すことばかり追ってしまいますから。

2012年4月現在、ここまで。

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