まったく不可能と思われるようなところから脱出してみたい、と誰でも一度は思うものです。でも最近じゃあ、めったに捕虜になったり、理不尽に刑務所に入れられることもなく、ましてやそれが、岩だらけの要塞であることは非常に少ない。
「たいへん残念だ」なんて、そう思っている人に限って、自分が既に閉じこめられていることに気づいていないものです。
精神的な囲いというものは、出てみて初めて「ああ、私は囲まれていたんだ」と気づくタチのもので、端(はた)から見ると苦しそうな状況に置かれているのに、本人は「出よう」なんて、これっぽっちも思っていないものです。カワイソ。
から回り、ドツボ、スランプ、苦手、なんと呼んでもいいですけど、まずはそこから出ましょう。確かに、難しい注文です。でも、本人が出ようって思っているなら、大丈夫。必ず、出られます。差し伸べられる手をぐっと握りましょう。このサイトが、その手となりますように。
以下のような内容になるんじゃないかと、おぼろげに思っています。
なるべくレッスン形式にしたいのですが、手強い相手なので、思案中です。
まずは具体的症状を把握しましょう。大きな問題に対しては、一つ一つ対処していくのが、方法ですから。
「英語」と言っても、さまざまな面があります。よく言われるのが「読む、聞く、話す、書く」の4つの面です。それぞれは分かちがたく関係しあっている部分もありますが、話の「筋」というものもございますし、ここでは4つを独立した存在と見なします。「学習」という行動基軸から見ましても、あながち間違いではないでしょう。
さて、どの面が「嫌!」なのでしょうか?
「聞く」のは、けっこう嫌いじゃない。じゃなきゃQUEEN聞きまくり、「バーイセコ、バーイセコ」なんてノリノリってこともありえません。
「話す」のも、照れるけどアレルギーじゃない。「My name is..」と英語を話している最中に、「うわっ嫌だ」と走り出したくなるようなことは? ありませんよね。
「書く」のは大丈夫。めったに書いたりしないから。たまに英語で手紙を書いたりしても、内容の薄いことは気にかかっても、けっこう文字が埋まったことに、満足感を覚えたりします。
そう、問題は「読む」ことです。そんなこと最初から分かり切ったことじゃないかって? でも、おかげで焦点を1/4に絞ることが出来ました。これからはもう少し具体的に、「どうして英語を読むことが嫌なのか?」考えていきましょう。
理由が分かれば、対処もできます。理由は簡単です。日本語の活字が「表意文字(もしくは表意文字から派生した表音文字)」なのに対し、alphabetは「ガチガチの表音文字」であることです。
日本語世界では、活字が中心です。音となっているときでも、活字をよりどころにしています。でなければ、こんなにたくさんの同音異義語は成立しません。日本語ネイティブが活字好きなのも、さもありなんです。
英語世界では、音が中心です。活字となっているときでも、音をよりどころにしています。活字は音を移した磁気テープのようなものです。英語ネイティブたちが、Audio Bookをよく利用するのも、さもありなんです。
ぼくら日本語ネイティブは、どんな言語も活字中心だと信じ切っています。もう脳みそがそうできているのです。そこに活字中心でない、磁気テープのような英語の活字を見せられると、少々混乱するわけです。どうも「しっくり」来ないわけです。
これが「英語を読むことが嫌い」な理由です。日本語と違って、英語の活字をいくら見ても、訴えかけてくるものがないので、ちっとも親しみが湧いてこない。親しみが湧いてこないどころか、頭がくらくらして、吐き気まで催してくるのです。
じゃあ、もう一生こうなのかって? いいえ。
英語ネイティブと同じことをすればいいんです。彼らは活字を追いながら、それを音に再生していきます(それが表音文字ってやつです)。その音を「聞いて」、初めて頭に入れていくのです。日本語のように活字から直接頭に入れようとはしません。
つまり彼らの頭の中には、活字を読み込ませると音が再生される「音声再生機」があるのです。そいつを作ってやらない限り、英語(の活字)アレルギーは治りません。
オーケー。具体化されました。そろそろレッスンに入りましょう。どうすれば「英語の音声再生機」を作れるのか。オーソン・ウェルズの声でもいいですけど、あんまり迫力あるのも考えものです。自分の声あたりがいちばん落ち着くでしょう。ということで「Lesson1.英語再生機を作る」に。
SEO | [PR] !uO z[y[WJ Cu | ||